「自らの運命に打ち勝ち、アイドル歌手として天地真理は再び青春を輝かせる。 しかし、彼女を付け狙う謎の男の陰謀が真近に迫っていた…『夕日の恋人』ついに完結!」

●「夕日の恋人」あらすじ・後編 1972.11号〜15号迄

●運命の土曜日。真理のスキャンダル記事が掲載された「週刊ブラック」が、全国にさきがけ東京都内に納品されはじめた頃。それを知らない征二・馬場・芳村は放課後に「天地真理ショー」を観に行く。●満員の観客の前で「夕日はあしたの太陽」を熱唱する真理に、征二は心から祝福の言葉を呟く。だがその時!「ウソつきやがれ!!」「もうだまされねえぞ このニセ天使!!」「なんだヤクザの親分の娘のくせに!!」合間のおしゃべりの最中に数人の観客が発した言葉に真理は身を強張らせた。なんと「週刊ブラック」を読んだファンも会場に駆け付けていたのだ!●あちらこちらで記事が回し読みされ、場内は騒然。観客の驚きはやがて怒りに変わり、ステージの真理めがけモノが投げつけられる。突然の出来事に、真理は呆然と立ち尽くすのだった…。
週刊誌の記事を読んだ観客は怒り、罵倒を浴びせる。

征二・馬場は記事を書いた「週刊ブラック」編集部を訪れて大暴れ!

「゛週刊ブラック″の記事は すべて事実のとおりです」罵声とモノが飛び交うステージ上で真理は涙を流し土下座で詫びる。たまらずステージにあがった征二は、誤解を解こうとマイクをつかみ必死の説明をするが、ケンカ腰の話し方が反感をあおってしまう。変わって芳村や馬場もあがるが混乱は一層酷くなり、結局劇場側の要請で警官隊が出動したことで、一応騒ぎは収まった。「いずれにせよ もうわたしの役目は おわったのかもしれない」楽屋に戻った真理は征二のなぐさめに耳を貸そうとはしない。●腹を立てた征二と馬場は「週刊ブラック」編集部に乗り込み公平な記事の掲載を訴えるが、まったく取り合ってもらえない。激怒のあまり編集部員達に乱暴を振るい社内は大混乱。そこへ謎の男が姿を現した!「そろそろ おれの正体をあかすときがきたようだな…フフフ」ついに明かされた男の正体は誰なのか!

●ついに素顔を見せた追跡者。征二も馬場も覚えのないその男は、自らの正体を語り始めた。彼は例の元朱紋組の殴り込みで命を落とした黒崎組組長の息子・竜介だった。父の死後に二代目を襲名したが、かつての親分を裏切り命を狙った卑怯者の組としてヤクザ世界から爪弾きにされ、子分にも盃を返されてしまう。孤立無縁となった竜介は、その恨みを真理に向けたのだった!「こうなりゃ さか恨みだろうが なんだろうがかまやしねぇ!!おれにゃどうせ生きる道はひとつ 地獄行きだ! その地獄へ真理を道連れにしてやる!!」しかし、復讐鬼も真理を陥れた怒りに燃えた2人の敵ではなかった。竜介は叩きのめされたが、部員の警察への通報により征二と馬場は逮捕されてしまう。●事件は新聞沙汰となり、港高校生徒や征二の母は街の住民から白い眼で見られるようになる。●一方、留置場の2人のもとへ真理が面会に訪れた。詫びの言葉を告げる真理に、虚勢をはって見せる2人。だが、彼女の口から記事が原因でレコード会社との専属契約が破棄された事を知らされ言葉を失ってしまう。征二の胸に絶望が渦巻く。「夕日は 夕日は完全に やみにのまれちまった!」


謎の追跡者の正体は、真理の父を殺した黒崎の息子だった。

港高校のクラスメートや元朱紋組の家族達は真理の誤解を晴らす為に立ち上がる。
●真理、馬場そして征二。彼等の青春はまだ暗い闇に包まれていなかった!今、友情と善意と嵐が吹き荒れようとしたいたのだ。「彼女こそ本物の天使 傷だらけの青春を歩んだまぎれもない 愛の天使なのです!!」「われわれは 天地真理のまげられた真実を弁明するために立ちあがったのです!!」担任の不破、芳村など真理のクラスメート達が街頭でプラカードやビラを配りながら世間に訴えれば、元朱紋組のるす家族はTVのワイドショーに出演し、真理の真の姿を涙ながらに話した。●それらの努力によって世間の誤解とけ、2人は晴れて釈放される。余罪があがった黒崎竜介は指名手配され、週刊ブラック社も当局からキツイ注意を受けたらしい。●一方、再びトップアイドルに返り咲いた真理に、オリオンレコードの社長から再契約の話が持ち込まれるが、「もう歌をうたう必要がない…わたしの役割はいちおう終わったのです…」と、断ってしまう。●「天地真理 突如としてナゾの引退宣言!!」の文字が踊る週刊誌を教室で読みながら、征二は真理の行動の真意を考えていた…。

●「天地真理引退記念サヨナラショー」が日本武道館で行われた。TV中継やマスコミ各誌、そして征二・馬場・芳村ら大勢のファンを集め、ステージは最高潮を迎える。そして、客席への別 れの挨拶を述べた真理は、最後の曲「夕日はあしたの朝日」を心を込めて歌った。大歓声に包まれてながら…。●アイドルスター・天地真理が芸能界から姿を消して数日後、教室でふさぎ込む征二は不破が連れてきた転校生を見て驚く。それは特別 に復学を許された天地真理だったのだ!再びクラスメートとして過ごせる事になり、馬場・芳村たちも大喜びだ。●放課後、真理と下校した3人は、彼女が歌の印税等で元朱紋組のるす家族達とスーパーマーケットを始めたことを知る。「じゃあね! また あした!」そう言い残して仕事を手伝う真理の姿は、幸福感でいっぱいだった。あすになれば彼女に会える。明日も…できることならいつまでも真理を好きでいたい…。征二たちは明日の希望を胸に噛みしめて「夕日はあしたの朝日」を口ずさむのだった…。【完】2001.10.29


歌手を引退した真理は、ふたたび一高校生として征二のクラスに復学する。
いかがでしたか?「太陽〜」からあれだけひっぱった謎の男の結末の呆気無さや、あまり活躍しなかった神戸編の新キャラ、安易な真理の復活劇など不満や疑問点が多く残ります。そもそも全11回というのは、打ち切りなのか?それとも当初からの予定だったのだろうか?3部作を通 して読んでも、1人の少女の生きざまを通して3人の少年達の青春の讃歌を描く(とBONは思ってる)意図が貫かれたとはいえない。「スポ根」脱却の新テーマに対する作者の試行錯誤は伺えるのだが。

 



 

inserted by FC2 system