「おれは帰ってきた! あの頃は右手にあったグラブを いまは左手に はめかえて…帰ってきた!!」

FILE#105「新巨人の星」(画:川崎 のぼる)



週刊読売連載/1976.10.2号〜1979.4.15号迄

●あらすじ:
昭和50年夏。球団創立初の最下位となった長島巨人のために、星飛雄馬が再び立ち上がった!親友・伴宙太の協力の下、打撃の技術を磨き代打専門の選手として復活する計画だったが、これに反対する父・一徹の策略で道は閉ざされかかった。しかしそれを知った飛雄馬の怒りの右投げが運命を変えた。実は右利きだった飛雄馬は投手としての再起の可能性があるのだ!これを知った長島監督はテスト生としてキャンプに参加させ、永久欠番の3番を与えた。翌年のシ−ズン前半、代打と殺人スライディングで活躍・オ−ルスタ−戦で右投げを披露・そして後半、遂に投手としてマウンドに復活し、リ−グ優勝を決める。飛雄馬の復活は宿命のライバルを再び球界へと導き、花形満もまたテスト生からヤクルトに入団を果たす。ノ−コンやフォ−ムの改良を経て2年目のシ−ズンも活躍するが、又も日本一の座を逃した事で遂に禁断の大リ−グボ−ル右1号を編み出してしまう。ボ−ルが3つに変化する蜃気楼の魔球で連勝街道を進む飛雄馬。しかし魔球の弱点は、花形に見破られ打たれてしまう。だが巨人の勝利のため飛雄馬は投げ続けるが、やがて左門豊作にも弱点を気付かれてしまう。試合後、一徹と伴と3人で夜の海を見つめる飛雄馬の心は、新たな魔球を夢見るのであった。

●BONはこう読む!:
本作を「スポ根漫画」と思って読むとかなり失望するだろう。私自身も初読(11才!)当時は魔球がなかなか出てこない展開に物足りなさを感じていた。だが本作は星飛雄馬とそれを取り巻く人々の(漫画世界の中の)現実の物語として読めば、味わい所は多いと思う。(上記のあらすじではカットしたが、個人的には女優の鷹ノ羽圭子を巡る伴との三角関係のエピソ−ドが気に入っている。)結局、巨人がV9時代のように勝てなくなった事が原因で連載は終了するが、だからこそ連載を続け、弱い巨人の中でもがき苦しむ飛雄馬の姿を最後まで描いて欲しかったと思う。(あくまで「新巨人の星」としてね。)

●単行本:
読売新聞社刊/全7巻
読売新聞社刊/愛蔵版全7巻
講談社刊/KCコミックス全11巻
講談社刊/KCスペシャル全6巻
サンケイ出版刊/梶原一騎傑作全集全9巻
講談社刊/講談社漫画文庫全6巻
講談社刊/KPC版全6巻
e-books


●その他:
TVアニメ化1977.10.1〜1978.9.30(全52話)、
       1979.4.14〜9.29(全23話)(「新巨人の星II」)
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