「馬場修平が起こした乱闘騒ぎで、優勝を目前としながら失格負けとなった港高女子バレー部。彼を糾弾する南条ら部員達に許しを乞う真理だったが、突如豹変し部員のひとりを投げ飛ばした!」
●「太陽の恋人」あらすじ・その2
1971.37号〜42号迄


●翌朝、天地真理は悪役に一変した。登校する生徒達に昨日の放課後の顛末を話す部員達。征二の必死の弁護も、あの時の真理のタンカのため効果なし。そこに現われた真理に、南条は馬場の乱闘事件の首謀者こそ真理であり、自分への対抗意識から彼をそそのかして試合をメチャクチャしダメージを与えようとしたのだという推理を語る。しかし、「想像は個人の自由だし たしかにそのほうが話はグッとひきしまってくるわ」と涼しい顔で特に否定せず教室へ向かう。●もはや行方不明の馬場を捕まえ真意を聞き出さない事には、真理が悪役の汚名を被せられたままでいることを心配した征二は担任の不破に馬場の居所を訪ねた。両親の説明によると、彼は軽井沢のホテルにアルバイトに行ったらしい。夏休みになるやいなや征二は馬場が働いてるという軽井沢のホテルへ向かった。●早朝に到着、軽井沢高原の朝霧と白カバの林の中をめざすホテルへの道をたどる征二は、そこに真理の姿を目撃した!●物思いに沈む様子の真理。征二が声をかけようとしたその時、もう一方から駆け寄る男の姿…馬場修平だった!2人のやりとりを聞く内に、馬場が乱闘事件を詫びるとともに軽井沢でバイトする旨を真理に手紙で知らせていたのだ。すでに自分が退学処分となっていると思っていた馬場に真理は、自らが悪役を演じる事で鉾先を変えて事態を凍結させていると話した。真相を知って衝撃を受ける征二。「そ そうだったのかあ!!土下座までしてムダと見るや 真理が悪役に一変したのは…ウウッ悪役天使!」馬場はその場に土下座して真理に詫び、そして思わずつぶやく「こ…こうしておれたちがワルになったとき みじめになったときだけ きみはやさしい 身辺にいてくれる…」その言葉を聞いたとき征二には、これまでの全ての謎が解けた思いだった。征二は2人の前に姿を見せる。
馬場を追って征二は軽井沢へ向かった。

征二・真理・馬場・芳村。白樺の幹に刻まれたイニシャル。

●驚く馬場に、今回の騒動とその心理を分析する征二。全ては真理にかまってほしい一心からの行動だったのだ。それは、タクシー運転手への暴力事件を起こした征二も同じ心理であったゆえに理解できた事だった。征二・馬場の好意を理解するも真理だが、「わたしなどの心を そんなに求めてくれるのは光栄だけれど…おたがい高校生…いまは将来りっぱに愛せる恋せる心身を学問やスポーツでやしなう段階だと思うの」と語る言葉が精一杯の答えだった。互いのモヤモヤは晴れた。今日の記念に、白カバの幹に芳村を加えた4人のイニシャルを彫る。きざまれたイニシャルに青春のあしたを誓う3人だった…。

●せっかくの夏休みに訪れた軽井沢。馬場がバイトするホテルで、真理はプールの監視員・征二はプールサイドレストランのボーイとして働く事にした。ある女性客の希望で泳ぎを教える事にした真理。しばらくコーチしていると、その女性を含む辺りの客が次々に悲鳴をあげた。少ししてプールサイドにあがった人相の悪い連中が水中に潜ってチカン行為を働いたようだった。分かっていても直接は抗議出来ない客達は監視員の真理を責める。騒ぎを聞いて駆けつけた征二。プール内でじっとしている真理は、犯人の1人を捕らえたようだ。「あばれたり へんなタンカきられたりすると はためいわくでしょ?だから少し水をのませてるの クスッ…」。そう言うと真理は水を飲んでグッタリした男をつまみ上げた。その後、男をプールサイドへ引き上げた征二は、彼が真理も狙っていた事を知ると逆上し殴ってしまう。その様子をみた一味が駆け寄り、更に馬場も参戦しプールは乱闘騒ぎとなった。結局、馬場・征二のケンカパワーに、捨て台詞を残して一味は退散。チカン騒ぎはひとまず解決したかに見えた…。


プール監視員のアルバイトを勤める真理が捕まえたチカンは…。

昼間に仕返しに、真理たちに報復しようとするチカンの仲間達。

しかし、彼等は執念深かった。その夜、バイト終了後の自由時間に浴衣を着込み、線香花火を楽しんでいた3人。花火の炎を見つめ真理はつぶやく。「わたしこの線香花火がいちばんスキ…はなやかで大がかりな しかけ花火なんかより このちっぽけでつつましい花火が…」。真理の言葉に、一同がしんみりとした雰囲気になったその時!3人の顔面にナイフが突き付けられた。「声をたてるとザクリだぜ…イヒヒ」。昼間、真理に捕らえられたチカン一味だった。刃物の前には手も足も出せない馬場・征二。だが自身の心配よりも、征二は真理に対して不安を抱く。チカン一味が美しい真理にどのような仕返しをするのかという事を…。

●人気のない場所へ連れ出そうとする一味に、せめて真理だけでも解放するように訴える征二や馬場だが聞き入れられない。「おめあては むしろカワイコちゃんのほうでな」「そういうことよイヒヒ!」●やがて広場へ連れ出され、征二と馬場は白カバに縛り付けられる。2人には自らが痛めつけられればその分、真理へのハレンチな行為が延びるという期待があったが、もろくも裏切られる。まずは真理を裸にしようと、浴衣を脱がせにかかる一味。2人を人質に捕られ身動きがとれない真理。目を背ける2人。征二は心に願う神よ…あんたがホントに存在するのなら ただ一度この場を救ってくれ…そしたらおれを即座に殺してもいい…」。はだけた浴衣から見えた下着に興奮した男の一人がオビに手を伸ばしたその時!たもとに隠し持っていた数本の花火に火をつけて彼等に火花をむけた!ひるんだその隙に一味の一人を取り押さえた。「わたしをナメないことよ!襲い掛かろうとする一味に向かって、真理は自分が元朱門組の娘である事を話しタンカを切る。ド肝を抜かれた一味は、真理の命じられるままにナイフを捨て征二と馬場を解放する。怒りに燃える2人は一味を徹底的に叩きのめす!
征二達を人質に捕らえられ、ゆかたを脱ぐ真理だが…。

全校生徒の前に立った真理の告白とは何か?
●3人は駆け付けた警察官に一味と共に連行された。ケンカ両成敗と厳しく指導されるのかと思いきや、出てきた警察署長に感謝されてしまう。一味は東京で犯罪を重ねたあげく、指名手配となり潜伏するために軽井沢にいた所を逮捕されたのだ。3人の活躍は大手柄となって新聞にも報道された。●そして2学期。今回の1件で、馬場の退学騒ぎや真理の悪役問題も帳消しとなった。朝礼で警視総監賞を受け取る3人。その後で馬場は朝礼台へ昇り、バレー大会での非を認め、土下座して素直に詫びると共に、真理の友情の悪役行為の真意も語るのだった。その様子をじっと見つめていた真理は、馬場が台から下りるのと入れ代わりに朝礼台に昇った。「いまの馬場くんがいったわたしについての発言について わたしの立場からもうしあげたいことがあります!」唖然とする全校生徒や教師達を前にして真理は語り始めた。「馬場くんは過去の罪は罪 こんどの殊勲とはべつときびしく正直でした!わたし正直に告白します!!」そのあと真理が語った内容は、征二や馬場達の青春を左右させるほどの激しい告白であった…。(次回へ続く)

次回予告:「2学期。学園生活を満喫する真理を再び悪夢の知らせが舞い込んだ。
「父が殺された!」激しいショックが真理を襲う。
そして、それは新たな苦難の日々始まりでもあった。
」 お楽しみに!

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