第9回
「雨の朝サブは」

原作:梶原一騎・劇画:下條よしあき
プレイコミック連載(隔週刊)/1979.9/13号〜1981.12/24号

●TVアニメの再放送、翌年3月には劇場版公開と『あしたのジョー』のリバイバルブームに沸く1979年。梶原氏が再び“ボクシング”を題材に原作を手掛けたのが本作。当時漫画界の主流にあった恋愛・青春の要素も折り込まれる等、“80年代のボクシング漫画”を模索したと思われる。ちばてつや氏のアレンジによって梶原色の薄まった感のある『あしたの〜』と異なり、各キャラクターの台詞にも氏の“らしさ”がよりストレートに感じられると思う。
●秋田書店より単行本(秋田漫画文庫)が5巻まで発売されたが、話は最終回まで収められていない。(詳細は不明だが、刊行はここでストップ。約半年分のエピソードが未収録となった)
●初の海外遠征。最初の遠征先であるハワイ・ホノルルで、チーフ・ホワイトウルフとの対戦を控えた所から話が始まります。(それ以降の簡単なあらすじはコチラ


【主な登場人物】

●志波三郎/通称サブ。ボクサーだった父の目を奪った男の息子・赤尾研二への復讐心からボクシングを始める。恋人・火鳥を失った悲しみを乗り越えリングに再起、海外遠征に旅立った。

●野辺春彦/通称インテリ。予備校に二年も通う浪人生(後に無事大学合格)で、研二に挑むサブの姿に共感し自ら接近、以降二人は親友となる。故郷の岡山県には母が1人で暮らしている。

●赤尾火鳥/研二の妹で、父の事業を手伝い手腕を発揮。兄と自分に楯突くサブの存在を強く意識し、彼を潰そうと色々と企てる。やがて互いに愛しあうようになるが、初めて結ばれた翌日に死亡。 ●三郎の父/かつて“スパイダー志波”のリングネームで活躍するが、ボクサーだった研二の父の反則を受け両目を失明。妻にも去られ、息子の三郎とアパートで二人暮らし。 ●赤尾研二/、本場アメリカでボクシングを学び、“KOケン”の異名を持つ天才ボクサー。元東洋チャンピオンで、引退後に実業家へ転向した父を持つ。サブの好敵手だった。

●あらすじ・その1

   

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