一騎人生劇場 男の星座

さらば!友よ 梶原一騎
「思えば4分の1世紀 25年の余にわたり梶原一騎は劇画の原作を書いてきた。そして、このたび「引退(リタイヤ)」を決意した。理由は今更もうクドクド言わぬ。思うところあって、と日本語には奥行の深い表現があるではないか。あえて一言だけ残すなら、あの百恵チャンや都はるみだって退き際を知っていた、いわんや男一匹…。とにかく、これが劇画原作者・梶原一騎として最後の作品になる。題して 一騎人生劇場・男の星座。さよう、完全なる自伝である。私の青春遍歴ドラマだからして、当然『巨人の星』『あしたのジョー』『愛と誠』『タイガーマスク』『空手バカ一代』はじめ、私の代表作とされる無数の作品群の母胎とも称ぶべき最終作ともなろう。さまざまの男たちの群像、すなわち「男の星座」を遊泳し、交錯し、その光りを浴び、反射し、輝き合うことで私は謂ゆる「男の世界」を描ける作家になれた。成人相手の『人間兇器』や『カラテ地獄変』も同断。従って力道山が出てくる、大山倍達が登場する、A・猪木もG・馬場も2人のタイガーマスクに至るまで。空手、プロレス界のみでなく、プロ球界、芸能界、さらには極道界(?)の男たちも本家・尾崎士郎氏の飛車角、吉良常そのままに。無論、すばらしき多くの無名の男たちも、否いろいろ世間で噂してくれた女優タレントのことだって赤裸々に描くつもりだ。友よ、愛する読者諸兄よ、梶原一騎とのゴージャスなる「最後の晩餐」に堪能せよ!

(漫画ゴラク連載開始前の予告頁/日本文芸社刊/ゴラクコミックス第1巻に収録)


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