「タイ国に三人の王あり!その一は国王!その二は法王!その三…紅闘志也は第三の王を見た!!そして 彼の灼熱の人生がここに幕をあけたのだ!!」

FILE#90「紅の挑戦者」(画:中城 健)



週刊少年マガジン連載/1973.37号〜1975.52号迄

●あらすじ:
高校サッカー界のヒーロー紅闘志也は、遠征先のタイでキックボクシングのチャンプ、ガルーダと出会う。その魔人のような強さに魅せられた彼はキックボクサーに転向し世間を驚かせる。かつてガルーダに挑み、片足を失った空手家・大利根一鬼のジムに入り、必殺技オーバーヘッドキックで連勝する闘志也。打倒ガルーダを目指す彼の前に日本キック界の王者剣持隼人が立ちふさがった。やがて両者激突!闘志也の新必殺技が炸裂するが、その威力ゆえ形勢逆転し初めての敗北となる。しかし闘志也は挫ける事なく再び勝利の道を突き進む。遠征に出向いたタイで自分の力の未熟さを知った彼は、ガルーダが運営するボクサー養成機関「蛇の巣」に入門し自らを鍛え直す。一方、闘志也より先にガルーダに挑んだ剣持は、死闘の末、命を落とす。「蛇の巣」を卒業しリングに帰った闘志也は大きく成長し、再びガルーダと戦うために彼が送り込む弟子達と対戦し、第3の必殺技で次々と勝利する。そしてついに実現したガルーダ対闘志也。試合中、偶然見つけたガルーダの弱点に可能性を賭けて血まみれになりながらも戦う闘志也はついに彼を倒した。しかしガルーダは死亡、闘志也は再起不能となる。彼等の血は何の為に流されたのだろうか?その答えは誰にも分からない。   

●BONはこう読む!:
その人物構成から、キックボクシング版「あしたのジョー」といった作品か。しかし、主人公のキャラクターを膨らませるようなエピソードが殆ど見当たらず、ひたすら戦いに明け暮れていたような印象しかない。脇役にしてもガルーダや剣持以外はただのヤラレキャラばっかだし、これでは「あしたのジョー」のようなヒットに結びつく筈もないな。

●単行本:
講談社刊/KCコミックス全10巻
講談社刊/KCスペシャル全6巻
徳間書店刊/トクマフェイバリットコミックス全7巻

●その他:
第一部:氷壁のジャガー/
1974.37号〜1974.23号
第ニ部:血で書いたラブレター/1974.24〜53号
第三部:炎の男のバラード/1975.1〜24号
第四部:女神と死神のキス/1975.25〜52号

※タイガーマスクに先がけること数年。主人公、紅闘志也の名をもらいデビューしたキックの選手が実在したそうだ。

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