「いま おれのゆめがかないつつある!だれもしんけんにあの子たち のことをかんがえないから おれがやるんだ!」

FILE#37「タイガー・マスク」(画:辻 なおき)



ぼくら(1968.1月号〜1969.10月号※休刊)→ぼくらマガジン(1969.1号〜1971.23号※休刊)→週刊少年マガジン連載/1971年26号〜53号

●あらすじ:
悪役レスラー養成機関「虎の穴」出身のレスラー・タイガーマスクこと伊達直人は、孤児だった自分が育った孤児院「ちびっこハウス」の経営難を救う為に組織の掟に背いた事で「虎の穴」の刺客に狙われる。最初の刺客ブラック・パイソン戦で応援に来たハウスの子供達に正しい生き方を身を持って示す為、反則技を使わない正統派のレスラーとして生きる決意をしバックドロップで勝利する。その後次々と襲いかかる悪役レスラー勝利し、必殺技ウルトラ=タイガー=ドロップもあみ出した。だがそれも破られ、「虎の穴」の秘密兵器・赤き死の仮面戦では再び反則技を使ってしまう。自分に絶望したタイガーはパリの地下プロレスに参加、そこで第2の必殺技フジヤマ=タイガー=ブリーカーを完成させ再び日本のマットに戻る。さらに第3の技・タイガーVで、「虎の穴」最強レスラー、ミラクル3を撃破され追いつめられた「虎の穴」はハウスの少年を誘拐しタイガーを本部まで呼び出し殺そうとするが、馬場・猪木ら先輩レスラー達の救援により逆に組織を壊滅させられる。その後米国に現れた偽タイガー戦や悪役ワールドリーグ戦を通して反則にも技にも強いオールラウンドのレスリングを開眼する。そんなタイガーにNWA世界チャンピオン、ドリー・ファンク・ジュニアとの試合のチャンスが訪れた。ドリーの頭脳プレーで王座奪回が果たせなかった第1戦に続く第2戦当日、突然の悲劇が襲った。試合場に向かう途中でファンに囲まれたタイガーは、路地裏に逃げ込み人目を避ける為マスクを外した。その時自転車に乗った少年が転倒し、走ってきたトラックに轢かれそうになる。とっさに少年を抱え脇に放った直人は、自転車に足を引っかけトラックに跳ねられてしまった!ポケットにしまった虎のマスクを川に投げ捨てると、伊達直人は静かに息をひきとった。こうしてタイガーマスクはその正体を謎のママで永遠にプロレス界からその姿を消したのだった。

●BONはこう読む!:
アニメ作品と物語を混同しがちだが、多彩なキャラクターと社会風刺の多いアニメと違い漫画の展開は地味であっさりしている。その極め付けとも言える最終回の突然の事故死。スポーツ根情ものの1作と捉えがちだが、伊達直人という一人の男の無償の愛の物語として読まれ継がれて欲しい作品だと思う。


●単行本:
講談社刊/ぼくら・コミックス1〜4巻→ぼくらマガジン・コミックス5〜11巻
→ 少年マガジン・コミックス12〜14巻(※未完)
講談社ハードカバー全6巻(※未完)
講談社刊/KCコミックス全14巻
講談社刊/KCスペシャル全9巻
梶原一騎傑作全集全11巻
講談社刊/講談社コミックス全14巻(完全復刻版)
講談社刊/講談社漫画文庫全7巻
e-books


●その他:
TV化(アニメ)1969.10.2〜1971.9.30
※ぼくらマガジン1970年6/23号他、単行本未収録ページ多数あり。
※連載タイトル「タイガー・マスク」(「ぼくら」、「ぼくらマガジン」)
  →「タイガーマスク」(「少年マガジン」連載分より)
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