「高校球児なら だれも甲子園の土は裏切れない 甲子園の土だけは…  倒れても倒れても 新しい闘志でいどむのだっ それだけの価値はある!!」

FILE#38「甲子園の土」(画:一峰 大二)



少年画報連載/1968.1月号〜1969.12号 資料協力者:BOSSさん(感謝!)
●あらすじ:
己を燃やす若い青春の血を持て余し、ケンカに明け暮れる少年・沢村健治。両親を事故で亡くし、人生の落伍者が集まる「もぐら横町」に叔父夫婦と暮らす彼が、甲子園のグランドキーパーの老人・美鳩と出逢った事で野球に生き甲斐を見い出す。特待生として竜門高校へ進学し、野球部へ入部を果たす。主将の不動大作のしごきに耐え、見事エースとして夏の甲子園に出場した沢村は決勝進出、ライバル・紅光一の港学園と戦うが敗れる。主将の不動が卒業し、沢村は副主将として春の選抜に挑む。しかし、沢村を憎むアメリカ帰りの新入部員・西城法彦の卑劣な罠にはまり、準決勝で敗れてしまうのだった。その後、西城の妹の手紙によってその陰謀は明るみにされ、部員から白い目で見られた西城を庇ったのは、沢村だった。同じ甲子園を目指す仲間として接する沢村に西城は心を開き、チームワークはより一層深まる。そして、夏の甲子園大会へ2年連続出場を果たした沢村は選手宣誓を任された。そこで出合った強敵、北海道・美幌高との決勝戦。混血児の投手・大滝を相手に、甲子園で己の青春かける男と男の死闘は火花を散らす。決勝戦は日没引き分けにより、翌日再試合が行われた。接戦の末、見事沢村は甲子園優勝の栄冠を勝ち取った!その後、沢村健治は先輩の不動を追って阪神タイガースに入団し活躍するのであった。

●BONはこう読む!:
「巨人の星」で、地区予選大会の展開の淡泊さを編集に指摘され、試合のエピソードを増やした話があったという。確かに野球の試合展開はそんなに代り映えするものではないが、前後のエピソードを上手く作れば色々なバリエーションが出来るだろう。幾度の敗北にもめげることなく甲子園での栄冠を目指す主人公の苦闘の展開は、どれも「どうなるんだ!」と引き付けられた。(特にお薦めは、悪徳フリースカウトとプロ入団の契約を交し野球部を辞めようとするシーン)やはりというか、最終回あたりは駆け足な展開になるが最後まで楽しく読めました。

●単行本:
少年画報社刊/ヒットコミックス 全4巻
マンガショップ刊/マンガショップシリーズ 上中下巻


●その他:
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