「星くんに自信をあたえられ いまでは万能スポーツマンのぼくは心からさけぶ…巨人の星 星投手に栄光あれと!」

FILE#41「巨人の星(青島光彦編)」(画:川崎 のぼる)



別冊少年マガジン読切/1968年4月号

●あらすじ:
星飛雄馬が中学生の頃。彼が通う隅田川中学校の2年B組に首席のインテリ青島光彦というクラスメートがいた。いやみで典型的なガリ勉タイプの彼が最も恐れる授業、それが体育の時間である。通常の授業では自信に溢れる態度でも、この時ばかりは他の生徒からもの笑いの対象でしかなく、加えて星飛雄馬が体育時間に抜群の運動神経で憧れの橘カオルに注目されているのが気に入らない。ある日、不良高校生にからまれた所を星に助けられ、あろう事かその現場を橘カオルに目撃された事で、青島は星の地位転落を画策した。鉄棒の授業時間あらかじめ塗られた油によって模範演技を失敗する飛雄馬。だが全てを見抜いていた彼は何ごともなかったようにさりげなく油を拭き取り鉄棒を続けた。完全な敗北感に打ちのめされた青島。そんな彼を見た飛雄馬は野球の紅白試合を提案すると相手チームの応援団長の橘カオルに最後の打者に青島を出すように指示する。星の大活躍で試合は紅組のリード、そして白組はパーフェクトに押さえられていた。そして最終回、星の指示通り橘は青島を励まし打席に立たせた。星の絶妙のコントロールで、バットに球が当たった彼は懸命に1塁に駆け込みパーフェクトを阻止する。橘からの声援にやれば出来るという自信のようなものを感じ涙する青島。その後、プロで活躍する飛雄馬の様々な情報を耳にする内、あの時自分に自信をあたえてくれたのは彼だった事に気付いた青島。自らを反省し鍛え上げスポーツ万能の男になった彼は、飛雄馬へ感謝の思いを込めて呟いた。「星投手に栄光あれと!」

●BONはこう読む!:
う〜ん。飛雄馬は奇跡のコントロールで青島に打たせ彼にやる気を自信を与えた訳だが、どうにもそれが飛雄馬の恩着せがましさに見えてしまう。読切によくあるパターンで飛雄馬の内面の心理が表現されてないから、彼が青島に対してどのような感情を持っていたか分からないのだ。まぁ本作は青島の回想によって物語が進んでいくので飛雄馬側の心理が表現されないのも理解はできるのだが、その辺がどうにも不満だった。


●単行本:
KCコミックス版(12巻)他に収録

●その他:
                  
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