「要は人を愛し 自分をきたえ けんきょに ひたむきに うちこむガッツ…そう 根性だ 魂なのだ!」

FILE#51「キック魂」(画:南波 健二)




週刊少年キング連載/1969年16号〜52号 資料協力者:漫楽さん&BOSSさん(感謝!)
●あらすじ:
学生空手界で「空手三四郎」の異名を取る白羽秀樹は、キックボクシングの普及を目指す男・野口との出逢いから「沢村忠」と名乗り、キックボクサーとしての道を進む決意する。八ヶ岳の山隠り特訓で大きく成長した沢村に、TV放送のチャンスが舞い込む。対戦相手は以前、沢村を倒したソーアジソンよりも強敵なスイトクン。だがキック繁栄を背負い、沢村は必死に闘い勝利する。東洋チャンピオンとなった沢村は必殺技「真空飛び膝蹴り」を完成し、タイから来る選手を次々KOする!だが依然と実現しないレギュラー放送の原因が、強すぎる沢村に対する疑念であること知る。その為に本場タイへ出向き、ライト級王者ポンチャイ=チャイスリアと引き分けた事でレギュラー放送が決定。「キックボクシング」は空前のブームを巻き起こす。しかし地方の興行に加え、テレビ・新聞・雑誌等のハードスケジュールに追われた沢村は、練習不足と疲労によりカンワンプライに敗れてしまう。手のひらを返すように観客から罵られた悔しさをバネに、マスコミのスターとキックのチャンピオンの両立させようと決意する沢村は、更なる猛練習に励み再び連勝記録を伸ばしていく。キックに賭ける男の魂が今日も四角いリングで燃え盛る!

●BONはこう読む!:
掲載誌は違えど、同じ出版社(少年画報社)から沢村忠 漫画を連載していた(「魂」の方が「鬼」より少し遅れてスタート)をいう事実に、同時の人気の凄さが伺える。雑誌の読者対象の違いから偉人伝記漫画的色合いの「鬼」に対して、こちらはドキュメンタリー風で展開。貧困時代の話(ドッグフードのエピソードを回想の形で描く「鬼」と、ウエットに描く「魂」の違いは興味深い。)もしっかり語られている。実在の出来事がベースとなるのでエピソードが重複し(もちろん多少の脚色はあるが)、一方がアニメの原作として認知されてる故に本作があまり語られず、割を喰った形になったのは残念だ。

●単行本:
少年画報社刊/ヒットコミックス 全3巻
マンガショップ刊/マンガショップシリーズ 上下巻


●その他:
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